産業廃棄物収集運搬業許可の申請書を作成するには、取り扱う産業廃棄物の種類を把握することが大切です。産業廃棄物収集運搬業許可は、産業廃棄物の種類ごとに申請することが必要だからです。ここでは、産業廃棄物の種類について、福岡の行政書士が解説しています。
産業廃棄物の種類と内容と具体例
産業廃棄物の種類を特定するには、廃棄物の内容と具体例を理解しておくことが大切です。ここでは、20種類の産業廃棄物の種類・内容・具体例について確認します。
燃え殻
「燃え殻」は、事業活動で発生する石炭がら、灰カス、焼却残灰、炉清掃掃出物などのことです。
具体例は、石炭がら、灰かす、廃棄物焼却灰、炉清掃掃出物、コークス灰、重油燃焼灰、焼却灰、すす、廃カーボン、廃活性炭などです。
汚泥
「汚泥」は、工場排水などの処理後に残る泥状のもの及び各種製造業の製造工程において生じる泥状のもののことです。有機性と無機性があります。
有機性の具体例は、製紙スラッジ、下水汚泥、ビルピット汚泥(し尿の混入している物を除く)、洗毛汚泥、消化汚泥(余剰汚泥)、糊かす、うるしかすです。
無機性の具体例は、浄水場沈でん汚泥、中和沈でん汚泥、凝集沈でん汚泥、めっき汚泥、砕石スラッジ、ベントナイト泥、ベントナイド泥、キラ、カーバイトかす、石炭かす、ソーダ灰かす、ボンテかす、塩水マッド、廃ソルト、不良セメント、不養性セメント、廃触媒、タルクかす、柚薬かす、けい藻土かす、活性炭かす、各種スカム（油性スカムを除く）、廃脱硫剤、ニカワかす、脱硫いおう、ガラス・タイル研磨かす、バフくず、廃サンドブラスト（塗料かすを含むに限る）、スケール、スライム残さ、排煙脱硫石こう、赤泥、転写紙かす、建設汚泥などです。
廃油
「廃油」は、鉱物性及び動植物性油脂にかかるすべての廃油のことです。
具体例は、潤滑油系廃油(スピンドル油、冷凍機油、ダイナモ油、焼入油、タービン油、マシン油、エンジン油、グリース油)、切削油系廃油(水溶性、不水溶性)、洗浄油系廃油、絶縁油系廃油、圧延油系廃油、作動油系廃油、その他の鉱物油系廃油(灯油、軽油、重油など)、動植物油系廃油(魚油、 鯨油、なたね油、やし油、ひまし油、大豆油、豚脂、牛脂など)、廃溶剤類(シンナー、ベンゼン、トルエン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、アルコールなど)、廃可塑剤類(脂肪酸エステル、リン酸エステル、フタル酸エステルなど)、消泡用油剤、ビルジ、タンカー洗浄廃水、タールピッチ類(タールピッチ、アスファルト、ワックス、ろう、パラフィンなど)、廃ワニス、クレオソート廃液、印刷インキかす、硫酸ピッチ(廃油と廃酸の混合物)、廃PCB、廃白土、タンクスラッジ、油性スカム・洗車スラッジ(廃油と汚泥の混合物)です。
廃酸
「廃酸」は、廃硫酸、廃塩酸、有機廃酸類をはじめとする酸性廃液のことです。中和処理した場合の沈殿物は汚泥として扱います。
具体例は、無機廃酸(硫酸、塩酸、硝酸、フッ酸、スルファミン酸、ホウ酸など)、有機廃酸(ギ酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸など)、アルコール発酵廃液、アミノ酸発酵廃液、エッチング廃液、染色廃液(漂白浸せき工程、染色工程)、クロメート廃液、写真漂白廃液、炭酸飲料水、ビールなどです。
廃アルカリ
「廃アルカリ」は、廃ソーダ駅をはじめとするアルカリ性廃液のことです。中和処理した場合の沈殿物は汚泥として扱います。
具体例は、洗びん用廃アルカリ、石炭廃液、廃灰汁、アルカリ性めっき廃液、金属せっけん廃液、廃ソーダ液、ドロマイト廃液、アンモニア廃液、染色廃液(製錬工程、シルケット加工)、黒液(チップ蒸解廃液)、脱脂廃液(金属表面処理)、写真現像廃液、か性ソーダ廃液、硫化ソーダ廃液、けい酸ソーダ廃液、か性カリ廃液などです。
廃プラスチック類
「廃プラスチック類」は、合成高分子化合物に係る固形状及び液状の廃プラスチック類のことです。
具体例は、廃ポリウレタン、廃スチロール(発泡スチロールを含む)、廃ベークライト(プリント基盤等)、廃農業用フィルム、各種合成樹脂系包装材料のくず、合成紙くず、廃写真フィルム、廃合成皮革、廃合成建材(タイル、断熱材、合成木材、防音材など)、合成繊維くず(ナイロン、ポリエステル、アクリル等で混紡も含む)、廃ポリ容器類、電線の被覆くず、廃タイヤ、ライニングくず、廃ポリマー、塗料かす、接着剤かす、合成ゴムくずなどのことです。
ゴムくず
「ゴムくず」は、天然ゴムくず（合成ゴムは廃プラスチック類）のことです。
具体例は、切断くず、裁断くず、ゴムくず、ゴム引布くず(廃タイヤは合成ゴムのため廃プラスッチク類)、エボナイトくずです。
金属くず
「金属くず」は具体例のみをあげます。
具体例は、鉄くず、空かん、古鉄・スクラップ、ブリキ、とたんくず、箔くず、鉛管くず、銅線くず、鉄粉、バリ、切断くず、切削くず、研磨くず、ダライ粉、半田かす、溶接かすなどです。
ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず
「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」も具体例をあげます。
「ガラスくず」の具体例は、廃空ビン類、板ガラスくず、アンプルロス、破損ガラス、ガラス繊維くず、カレットくず、ガラス粉です。
「コンクリートくず」の具体例は、製造工程等で生じるコンクリートブロックくず、インターロッキングくず、石膏ボードくずです。
「陶磁器くず」の具体例は、土器くず、陶器くず、せっ器くず、磁器くず、レンガくず、耐熱レンガくず、せっこう型、タイルくずなどです。
鉱さい
「鉱さい」も具体例を紹介します。
「鉱さい」の具体例は、高炉、平炉、転炉、電気炉からの残さい(スラグ)、キューボラ溶鉱炉のノロ、ドロス・カラミ・スパイス、ボタ、不良鉱石、粉炭かす、鉱じん、鋳物廃砂、サンドブラスト廃砂(塗料かす等を含むものを除く)のことです。
がれき類
「がれき類」は、工作物の新築、改築又は除去に伴って発生した各種廃材のことです。専ら土地造成の目的となる土砂に準じたものを除きます。
具体例は、コンクリート破片、レンガ破片、ブロック破片、石類、瓦破片、その他これに類する各種廃材などです。
ばいじん
「ばいじん」は、ばい煙発生施設・消却施設の集じん施設で集められたもののことです。
具体例は、電気集じん機捕集ダスト、バグフィルター捕集ダスト、サイクロン捕集ダストなどのことです。
紙くず
「紙くず」は、①建設業に係るもの（工作物の新築、改築又は除去に伴って発生したものに限る）②パルプ、紙又は紙加工しな製造業、新聞業（新聞巻取紙を使用して印刷発行）に係るもの③出版業（印刷出版を行う者に限る）に係るもの④製本業及び印刷物加工業に係るもの⑤PCB塗布され又は染み込んだもののことです。
具体例は、建設業関係の建物、橋、電柱、工事現場、飯場小屋の廃木材(工事箇所から発生する伐採材や伐根を含む)、木材、木製品製造業等関係の廃木材、おがくず、パーク類、梱包材くず、板きれ、廃チップなどです。
繊維くず
「繊維くず」は、①設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る)②繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く)に係る天然繊維くず (合成繊維は廃プラスチック類)③PCBが染みこんだもののことです。
具体例は、木綿くず、羊毛くず、麻くず、糸くず、布くず、綿くず、不良くず、落ち毛、みじん、くずまゆ、レーヨンくず等、建設現場から排出される繊維くず、ロープです。
動植物性残さ
「動植物性残さ」は、食料品製造業、医薬品製造業又は香料製造業において原料として使用した動物又は植物に係る固形状の不要物(魚市場、飲食店等から排出される動植物性残さ又は厨芥類は事業活動に伴って生じた一般廃棄物)のことです。
「動物性残さ」の具体例は、魚・獣の骨、皮、内臓等のあら、ボイルかす、うらごしかす、缶づめ、瓶づめ不良品、乳製品精製残さ、卵から、貝がら、羽毛などです。
「植物性残さ」の具体例は、ソースかす、しょうゆかす、こうじかす、酒かす、ビールかす、あめかす、海苔かす、でんぷんかす、豆腐かす、あんかす、茶かす、米・麦粉、大豆かす、果実の皮・種子、野菜くず、薬草かす、油かすなどです。
動物系固形不要物
「動物系固形不要物」は、と蓄場においてとさつし、又は解体した獣蓄及び食鳥処理場において食鳥処理した食鳥に係る固形状の不要物のことです。
具体例は、と蓄場において処分した獣蓄、食鳥処理場において処理した食鳥です。
H3 動物のふん尿
「動物のふん尿」は、畜産農業に該当する事業活動に伴って生ずる動物のふん尿のことです。
具体例は、牛、馬、豚、めん羊、にわとり、あひる、がちょう、うずら、七面鳥、兎及び毛皮獣等のふん尿です。
動物の死体
「動物の死体」は、畜産農業に該当する事業活動に伴って生ずる動物の死体のことです。
具体例は、牛、馬、豚、めん羊、にわとり、あひる、がちょう、うずら、七面鳥、兎及び毛皮獣等の死体です。
13号廃棄物
「13号廃棄物」は、産業廃棄物を処理するために処理したものであって、以上の産業廃棄物に該当しないもののことです。
具体例は、有害汚泥のコンクリート固形物 焼却灰の溶融固形化物です。
産業廃棄物の種類を確認して申請書を作成しましょう。
産業廃棄物の種類を特定しないと、産業廃棄物収集運搬業許可の申請書は作れません。産業廃棄物は種類ごとに許可が必要だからです。
自社の収集運搬する産業廃棄物を特定できないときは、行政庁に確認することが大切です。
福岡県で産業廃棄物収集運搬業許可をリーズナブルに取るには
産業廃棄物収集運搬業許可を行政書士に委託するメリットは、専門家の視点から申請書・事業計画書の確認ができることです。また、他の都道府県への出張をせずに本業に専念することも魅力です。
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