産業廃棄物収集運搬業許可を独力で新規取得することは容易ではありません。産業廃棄物の品目・容器の設定から収取運搬の方法までを決め、その旨を事業計画書に記載します。
産業廃棄物収集運搬業許可は、産業廃棄物の品目ごとに許可されます。産業廃棄物収集運搬業許可申請に慣れた行政書士でなければ、手間と時間が多くかかります。
ここでは、「産業廃棄物収集運搬業許可申請(積替え保管なし)の意義、ポイント、申請書類・添付書類、申請の流れ、申請場所」について、福岡の行政書士が分かりやすく解説しています。
産業廃棄物収集運搬業許可(積替え保管なし)の意義について

産業廃棄物収集運搬業許可は、産業廃棄物を収集先と運搬先の自治体で許可を取ることが必要です。政令市内で積替保管を行う場合は、積替保管先の政令市の許可も必要です。
産業廃棄物収集運搬業許可取得後、5年毎に更新申請が必要です。また、収集運搬車両の変更や収集運搬する産業廃棄物の種類が増えた場合等、産業廃棄物収集運搬業許可の申請書の内容に変更が生じたときも変更許可申請または変更届出申請が必要です。
そして、産業廃棄物収取運搬業で産業廃棄物の積替え保管を行う場合は、産業廃棄物収集運搬業許可申請(積替え保管あり)を行うことが必要です。この産業廃棄物収集運搬業許可申請(積替え保管あり)は、産業廃棄物収集運搬業許可申請(積替え保管なし)は別の許可申請と考えたほうがいいでしょう。
「廃酸」「廃アルカリ」「廃水銀等」「感染症産業廃棄物」「PCB汚染物」「PCB処理物」「指定下水汚泥」の収集運搬は、特に重要に管理が必要な産業廃棄物で、特別管理産業廃棄物といいます。この特別管理産業廃棄物の収集運搬業を行う場合は、特別管理産業廃棄物収集運搬業許可が必要で、産業廃棄物収集運搬業許可とは別の許可申請です。
産業廃棄物収集運搬業許可は「特別管理産業廃棄物の収取運搬を含むか」「積替え保管を含むか」を考えて、申請書を作成し添付書類を収集します。
産業廃棄物収集運搬業許可(積替え保管なし)のポイント

産業廃棄物収集運搬業許可申請のポイントは、「産業廃棄物の種類、車両・容器、講習会の修了、経理的基礎、事業計画」です。詳細は次の通りです。
産業廃棄物の種類
産業廃棄物収取運搬業許可は産業廃棄物の種類ごとに付与され、産業廃棄物収集運搬業許可(積替え保管なし)の産業廃棄物は20種類あります。
具体的には「燃え殻」「汚泥」「廃油」「廃酸」「廃アルカリ」「廃プラスチック類」「ゴムくず」「金属くず」「ガラス・コンクリート・陶磁器くず」「鉱さい」「ばいじん」「紙くず」「木くず」「繊維くず」「動植物性残さ」「動物系固形不要物」「動物のふん尿」「動物の死体」「汚泥のコンクリート固形化物など」があります。
収集運搬する産業廃棄物を特定し、申請書に記載することが必要です。申請時に記載した産業廃棄物のみを取り扱うことができるため、取り扱う産業廃棄物の種類が増えるときは、変更許可申請を改めて行います。
車両・容器
産業廃棄物収集運搬業許可の申請書には、車両や容器の種類・容量について記載が必要です。
車両には「キャブオーバー」「ダンプ」「タンクローリー」「パッカー車」「バキュームカー」などがあります。容器には「オープンドラム」「クローズドラム」「フレコンバック」「鋼製ドラム缶」などがあります。
産業廃棄物の種類に対応できる車両・容器を準備することが必要です。産業廃棄物収取運搬業許可は、産業廃棄物の種類ごとに対応できる車両・容器であることを行政から審査されます。産業廃棄物の種類に対応できる車両・容器でなければ、許可が下りないので注意しましょう。
講習会の修了
産業廃棄物収集運搬業は、産業廃棄物の処理のための専門知識と技能が求められます。
産業廃棄物収集運搬業許可では、産業廃棄物の専門知識と技能を習得するために講習会を修了することが必要です。
講習会では、「廃棄物処理法概論」「安全衛生管理」「環境・循環型社会概論」「業務管理」「収集・運搬」の知識を習得し、〇×形式と選択式形式の試験に合格することが必要です。
講習会は、公益社団法人日本産業廃棄物処理振興センターが開催しています。会場受講とオンライン受講を選択することができます。
経理的基礎
産業廃棄物収集運搬業者が、倒産して産業廃棄物の処理が停止すれば公益を害します。産業廃棄物収集運搬業許可の申請時に経理的要件を確認されます。
福岡県では、法人の場合「直近3年分の決算書」と「直近3年分の納税証明書(法人税)」、個人の場合「資産に関する調書」「直近3年分の納税証明書(所得税)」を提出し、行政によって審査されます。
産業廃棄物収集運搬業許可申請は、債務超過でないことが原則必要です。債務超過の場合は、中小企業診断士や公認会計士・税理士が作成した「経理的基礎を有することの説明書」が求められることがあります。
※福岡県は行政書士が「経理的基礎を有することの説明書」を作成できます。
事業計画
産業廃棄物収集運搬業許可では、適法・適切な事業計画を立てることが大切です。
収集運搬する産業廃棄物の種類・運搬量、運搬先の名称・所在地、運搬車両・容器、収集方法、運搬方法などの事業計画を申請書に記載します。
産業廃棄物収集運搬業許可(積替え保管なし)の申請書類・添付書類

産業廃棄物収集運搬業許可(積替え保管なし)は、多種類の申請書類・添付書類を2部又は3部作成し、管轄の行政庁に提出します。
産業廃棄物収集運搬業許可(積み替え保管なし)の申請書類・添付書類は次の通りです。
- 産業廃棄物収集運搬業許可申請書
- 事業計画の概要を記載した書類
- 運搬車、運搬容器または運搬船の写真
- 事業場(車庫)の平面図及び周辺見取図
- 運搬港(岸壁)の見取図(船舶運搬による収集運搬の場合)
- 車庫及び車両等の所有権または使用権原を証する書類
- 産業廃棄物の収集運搬を的確に行うに足りる知識及び技能を有することを証する書類(講習会修了証の写し)
- 当該事業の開始に要する資金の総額及び資金調達方法を記載した書類
- 直前3年の各事業年度の貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表
- 直前3年の法人税額及び納付済額を証する書類(納税証明書)
- 定款又は寄付行為
- 法人の登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
- 欠格事由に該当しない旨の誓約書
- 役員等又は出資者等の住民票
- 成年被後見人及び被保佐人に該当しない旨の登記事項証明書
産業廃棄物収集運搬業許可(積替え保管なし)申請の流れ

産業廃棄物収集運搬業許可申請を無事に完了するには、次の流れに沿って行うことが大切です。許可要件を満たしていないならば、申請が途中で頓挫することや受理されないことがあるからです。
産業廃棄物収集運搬業許可の必須要件の確認
産業廃棄物収集運搬業許可の申請手続きの準備の前に「経理的基礎要件」「講習会受講」「車両と駐車場の使用権原」を確認します。
「経理的基礎要件」は、直近3期分の損益計算書で利益が出ていれば基本的に問題ありません。直近3期分の損益計算書で利益が出ていない場合は、追加書類が求められます。
追加書類の中には、中小企業診断士や公認会計士・税理士の経営診断書があります。
※福岡県では行政書士も追加書類の作成ができます。
「講習会受講」は、日本産業廃棄物処理振興センターの講習会修了ことです。だれでも受講可能なので、講習会受講は早めに済ませる必要です。
「車両と駐車場の使用権原」は、産業廃棄物収集運搬業に使用する車両と駐車場の使用権原の確認です。
車両については自動車検査証のコピーや車両の貸借契約証明書が該当し、駐車場については土地の登記事項証明書や土地の賃貸借契約書のコピーが該当します。
産業廃棄物収集運搬業許可の必須要件が満たされていれば、事業計画を特定します。
産業廃棄物収集運搬業許可の事業計画の特定
産業廃棄物収集運搬許可の事業計画で「品目と容器・車両」「収集運搬の場所と処理施設」を特定します。
「品目と容器・車両」は、産業廃棄物の種類を特定し、産業廃棄物に対応した容器と車両であることを確認します。
「収集運搬の場所と処理施設」は、どの業種どの場所で発生しどの中間処理施設に運搬するかを特定します。
「品目と容器・車両」「収集運搬の場所と処理施設」を特定したら、産業廃棄物の収集運搬の方法を事業計画書に記載します。
産業廃棄物収集運搬業許可の事業計画が特定できれば、添付書類を収集し申請書を作成します。
産業廃棄物収集運搬業許可の添付書類収集と申請書類作成
産業廃棄物収集運搬業許可の申請書は、添付書類に沿った事項の記載が必要です。
「法人の全部事項証明書」「住民票の写し」「登記されていないことの証明書」を先に収集し、申請書を作成すると間違いは少ないでしょう。申請書は、添付書類に載っている記載通りに記載することが必要だからです。
ただし、添付書類には概ね有効期限(概ね3カ月)があるので、添付書類の収集期日には注意しましょう。
産業廃棄物収集運搬業許可の申請
産業廃棄物収集運搬業許可申請は、正本と副本の2部または3部が必要です。管轄保健福祉環境事務所で県の領収証紙を購入し申請します。
福岡県では、日本産業廃棄物処理振興センターの講習会修了の原本確認があるため、コピーだけでなく原本も持参します。
産業廃棄物収集運搬業許可申請は、申請書の他、添付書類、車両・容器の写真が必要です。添付書類を集め、申請書を記入し、写真を添付すれば、申請できます。
申請先は、収集先と運搬先の都道府県の保健福祉環境事務所です。詰替保管を行う場所が政令市であれば、政令市の許可も必要になります。
産業廃棄物収集運搬業許可申請の申請場所

福岡県と他都道府県の産業廃棄物収集運搬業許可の申請先は、次の通りです。産業廃棄物収取運搬業許可の管轄先について確認しましょう。
※福岡県の産業廃棄物収取運搬業許可申請は、管轄の保健福祉環境事務所の事前予約が必要です。
福岡県の管轄保健福祉環境事務所
福岡県の管轄保健福祉環境事務所の次の通りです。
| 管轄事務所 | 住所/電話番号 | 管轄地域 |
|---|---|---|
| 京築保健福祉環境事務所 | 福岡県行橋市中央1丁目2-1 0930-23-2380 | 北九州市(門司区、小倉北区、小倉南区、戸畑区)、行橋市、豊前市、苅田町、みやこ町、吉富町、上毛町、築上町 |
| 宗像・遠賀保健福祉環境事務所 | 福岡県宗像市東郷1丁目2-1 0940-36-6322 | 北九州市(若松区、八幡西区、八幡東区)、中間市、芦屋町、水巻町、岡垣町、遠賀町、福岡市(東区、博多区、中央区)、宗像市、古賀市、福津市、宇美町、篠栗町、志免町、須恵町、新宮町、久山町、粕屋町 |
| 筑紫保健福祉環境事務所 | 福岡県大野城市白木原3丁目5-25 092-513-5612 | 福岡市(西区、早良区、城南区、南区)、筑紫野市、春日市、大野城市、太宰府市、糸島市、那珂川市 |
| 北筑後保健福祉環境事務所 久留米分庁舎 | 福岡県久留米市合川町1642-1 0942-30-1058 | 朝倉市、筑前町、東峰村、久留米市、小郡市、うきは市、大刀洗町 |
| 南筑後保健福祉環境事務所 八女分庁舎 | 福岡県八女市大字本村25 0943-22-6964 | 大牟田市、柳川市、八女市、筑後市、大川市、みやま市、大木町、広川町 |
| 嘉穂・鞍手保健福祉環境事務所 | 福岡県直方市日吉町9−10 0948-21-4812 | 直方市、宮若市、小竹町、鞍手町 飯塚市、嘉麻市、桂川町、田川市、香春町、添田町、糸田町、川崎町、大任町、赤村、福智町 |
他都道府県の申請場所
産業廃棄物収集運搬業は収集先の都道府県と運搬先の都道府県の許可が必要で、複数の都道府県で事業を行う場合は複数の都道府県で産業廃棄物収集運搬業許可申請を行います
複数の都道府県で産業廃棄物収集運搬業許可申請をするのに便利なのが、郵送申請です。
産業廃棄物収集運搬業許可は、申請書や添付書類を都道府県の環境事務所に郵送して行います。
しかし、すべての都道府県が郵送申請に対応しているわけではなく、その方法も異なるので事前の確認が大切です。
産業廃棄物収集運搬業許可の郵送申請は複数の都道府県で許可を取得する場合に有用ですが、都道府県ごとに郵送申請の方法が異なります。
福岡県のように郵送申請ができない場合もあるので、申請予定の環境事務所に事前確認することがポイントです。
九州山口では、福岡県を除く都道府県で郵送申請を受け付けています。
産業廃棄物収集運搬業許可の先行許可と合わせて、郵送申請についても申請先の環境事務所に相談しましょう。
福岡県で産業廃棄物収集運搬業許可申請

産業廃棄物収集運搬業許可を行政書士に委託するメリットは、専門家の視点から申請書・事業計画書の確認ができることです。行政書士が申請代行するだけで、迅速に産業廃棄物収取運搬業許可を取得できます。
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